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外房海岸を行く       2003/05/10〜11


 始発で新宿経由、総武本線に乗り、銚子駅に9時2分に着く。同じ電車にMTB熟年サイクリスト1人と乗り合わせる。他にサイクリストなし。
 駅改札口には先に着いたT君が元気な顔を見せている。さっそくランドナーを組み上げ、駅を背景に2人そろって写真をとってもらう、この小さな旅が成功することを祈って…。
 出発は9時半。利根川の河口、銚子漁協に向かう。ももの20分で漁協に到着。昨年9月に行った利根川下りの終着点だ、懐かしい。
 漁港には大型マグロ船が入港しており、まさにセリが始まろうとしていた。時間があればセリを見学できたのに…。なにしろ今日はいまから100km以上走らねばならない。気持ちが焦る。マグロの巨体が並べられた漁港を横目に、ひたすら西を目指す。

 10km先の犬吠岬灯台へはわけもない。ヴィラコモンズや地球が丸くみえる丘を通過し、銚子マリーナの先で銚子有料道路に乗る。軽車両の通行料金は20円だった。料金所の係員は「20円もらってありがとうをいう人間なんて今時ないよ」などと勝手なことを言っている。その有料道路はわずか7km、20円が自転車にとって安いかどうか、そこが問題だ。タダでもいいじゃない。
 ここから飯岡までは屏風ケ浦だ。外川あたりからの眺めは切り立った断崖絶壁で見事だったが、実際、そのうえの裏道を走っても実感はなにもない。刑部岬あたりの風当たりの強いところで、風力発電のおおきな風車がゆっくりと廻っていた。いったん国道126号への急坂をくだり、すぐに県道30号にはいる。

 飯岡からはいよいよ九十九里のはじまりだ。地図上でおなじみの弓なりの長い海岸線が続いており、起伏がない。これが40km弱続く。長く単調な走りが続くだろうという思いがする。

 飯岡からは「飯岡九十九里自転車道」というのを走ったが、これが旭市、八日市場市へと続いている。「太平洋岸自転車道」の一部だ。この自転車専用道はたしかに快適だったが、作る段階で風や砂の影響のことを十分検討しないで作ったらしく、自転車道の半分近くが砂に埋もれて走れない状態だった。九十九里の砂浜は白くてキメが細かく、自転車走行はハンドルをとられたり、後輪がスリップしたりで走れない。途方にくれても背後の防風林に阻まれて一般道へのエスケープもままならない。やむなく、海岸から一般道への道があるところまで「押し」だ。これが結構つらいのだ。
 これが一般道路だったらどうだろう。たちまち交通が途絶えてしまう。そして道路管理者は何をしていると非難がおきるだろう。これに比べて自転車道の管理はこの有様だ。自転車だって交通法規で認められている交通手段で、様々な規制もあるというのに、全国的に数少ない専用道の管理がこの有様だ。
 名前だけ立派な自転車道なら要らない。作るなら設計段階で防砂対策を施すとか、こまめに砂を排除するなどの気配りがほしい。問題をどこに持ち込めばいいのか。
 県道30号、別名「九十九里ビーチライン」に戻り、八日市場市に入ったあたりにある青少年施設で昼とする(銚子から43km)。

 午後は野栄町、蓮沼町、成東町を県道30号と裏道を行く。長い九十九里も道路を替えたりして走ると結構変化があるものだ。九十九里町の片貝海岸で「九十九里有料道路」が海岸線にそって延びている。しかし今度は軽車両通行禁止ときた。やむなく県道30号を走り続ける。南白亀川の白子(80km:15:00)、長生村、一宮町で県道30号が終わり、同時に九十九里も果てる。
 岬町(95km:16:00)に入り、国道126号の夷隅川に架かる江東橋の先で裏道に廻わり、「大原町サイクリング道路」を行くが、これも砂に埋もれている。例のごとく「押し」に苦労して脱出路を探すが見つからず、廃道からさらに沼地に迷い込む(100km:16:30)。あぁ、なんと言うこと。雑草は腰まであり、そのなかをさまよう(横宿あたりと思われる)。T君が「ランドナーは強し」とつぶやく。道なき道をゆくのだからね、当然かも。
 ようやくのことで国道への道を見つけて戻り、「大原町小池」から山越えで田尻海岸経由で御宿に入る(120km:18:00)。
 御宿の民宿は土曜日だというのに、休業が多く、空いていた「大野荘」も食事がだせないという。
 ようやく民宿「マタエム」に泊まれた。雰囲気、料理ともよかったが、やや割高感がある。
 本日の行動時間8時間30分。時速14km程度。最高時速51km。

 2日目、出発は5時とする。朝食なしの素泊まりは気楽で便利だ。
 夜明けの冷たい空気のなか国道128号を走り、勝浦の部原で旧国道を勝浦駅前、鵜原へとつなぐ。「おせんころがし」で旧道からバイパスを横断して、崖上の海岸線にでる。絶壁を削りこんでつくられた旧道だ。絶景。こういう所にくるとスピードは自然と落ちる。ゆっくり楽しもうモードだ。
 絶壁の道からトンネルを抜けて日蓮の生誕の地と伝えられる誕生寺に向かう。外房にしては相当の名刹ではないか(御宿から、ここまで21km、6:12)。
 誕生寺からは天津小湊町だ。国道128号にもどり、宮前橋でまた旧道をとる。坂下の合流点から鴨川市だ。鴨川駅手前の待崎川から、市内の旧道を走る(31km、6:45)。
 朝の活動が始まらないまえの旧街道は気持ちがいい。どんどんと距離がかせげる。あっという間に太海フラワーセンターを通過し、コンビニを求めて走ると和田町まできてしまった。
 和田浦駅前のローソンで朝食とする(ここまで2時間30分、46km)。文字通り「朝飯前」の走行となった。これは昨日の午前中に走った距離と同じだ。「早起きは3文の得」という昔の言葉が出てくる。50分間の休憩。
 大原の先で野島崎半島を横断して館山につなぐ国道128号とわかれ、海沿いの県道297号を行く。この先にもサイクリング道路が設けられている。このサイクリング道路をしばらく走ると案の定、砂に埋もれている。進退窮まったところでT君が提案したのは、汀線を走ることだった。波打ち際は波で砂が固まっており確かに走りやすい。しかし常に波が押し寄せるので、その波を避けようとすると砂に捕まってしまう。これをきらい、強引にゆくと今度は波をかぶる。この繰り返しで、すっかり波打ち際で戯れてしまった。
 やがて、エスケープルートが見えたので、県道に戻れたが、自転車は砂をかぶり、下半身はぬれねずみといった有様だ。幸いなことに駅の道「ローズマリー公園」がすぐに現れたので、ここの水道を借りて自転車の砂と塩分を落とすことが出来た。観光客がボクらを不審げに眺めていた。丸山町にはいったあたりだ(51km、8:40)。
 千倉町から国道410号をしばらく走り、県道251号千倉港線に入り、この道が途中で県道403号と変わり、これをどんどん走る。県道に平行して「和田白浜館山自転車道線」が作られているが、ボクらはもうだまされなかった。砂との格闘が目に見えているからだ。千倉と白浜の境あたりで「北緯35度最東端」というへんな標識と出会う。珍しいので写真におさめる。
 白浜町の本州最南端の野島崎灯台に着いた(70km、10:00)。しばらく休憩、ゆったりとした時間をすごす。
 県道を根本海岸まで走り、国道410号と合流、白浜フラワーパークを経て相ノ原で県道257号(房総フラワーライン)に入る。平坦なフラワーラインを走ると、はるか前方に見えていた洲崎方面の大山山塊がみるみる迫り、外房の終点である洲崎灯台についた(89km、11:20)。
 これで、銚子から延々と外房海岸を走ろうというボクらの目的は達成された。そしてゴールの館山も目前だ。洲崎灯台の海側はかなりの平地が自然のままに広がり、外房の西端を形成するにふさわしいところだ、周辺には「開発反対」の看板が目立ったが、この期に及んで何を開発するというのか。
 洲崎灯台から西側の海を見たが、はるかに半島が望めるものの、それが房総半島なのか、それとも横須賀方面なのか、ハッキリとわからなかった。
 ボクらは内房に回り込み、県道257号を館山まで走った。内房の突端にあたるこの地域は、様々なリゾート関連の施設があり、わりと賑やかだ。そうこうしているうちに左手に小さな城が見え、館山駅に着く(102km、12:20)。
 駅前で自転車を分解していたら、出発地の銚子で顔をあわせたMTBのサイクリスト(男/58)も到着。お互いの健闘をたたえあった。彼は洲崎方面をカットしたようで、総走行180kmといっていた。こちらは222kmとなった。平均時速は14kmといったところか。

 今回の外房サイクリングを振り返ると、まず天候にに恵まれたこと。風向きも含めてラッキーだった。二人の知恵を出し合って、常に最良のコース選定や判断ができたこと。宿は予約しておくべきこと。海沿いの自転車専用道に裏切られたこと。素泊まり早朝行動は行程を楽にさせ、目的地に早く到着でき、遠方への輪行も楽になることなど。(了)





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