●HOME ●自転車は楽しいよ  いろいろな自転車  自転車の乗りこなし
 自転車と道路  サイクリングの実際  自転車と健康
●近場のサイクリング  国内自転車旅  海外自転車旅 ●お役立ちリンク


大井川を遡上する     2011/04/29-05/01

 スタートの掛川はこじんまりした清潔な街である。そのシンボルの「掛川城」に寄り、城郭に登る。小さい城ながら名城百選にも数えられ、風格が漂い、街を見下ろすように大きく構えている。

                

掛川から茶畑広がる牧ノ原へ

 K氏をリーダーとする4人グループは掛川から東へ向かい、島田など幾つかの小さなまちを抜けて、大井川を見下ろす牧ノ原の高台に到着。 高台は広く、一帯は茶の産地であり、茶の試験場や「お茶博物館」もあるなど、茶の生産と茶の観光を生業としているところだ。博物館奥の丘の斜面に大文字で「茶」と植生されている。

 高台からは大井川の雄大な風景を見る。河口の海岸部から、これから向かう上流部までが見通せる。川に架かる長い橋、あちこちに広がる茶畑など、見ていて飽きない。



 右岸の道路は上り基調だが、そんなにきつくはなく、時折、サイクリストとすれ違う。有名なルートのようだ。山裾に大井川鉄道がへばり付くように通っている。今日は祭日なのでSLが走る光景を、途中の風変わりな喫茶店から偶然見ることができた。

 この季節の美しい風景は、なんと言っても瑞々しく芽吹いてきた茶畑だろう。静岡の代表的なお茶の多くは自然の山肌や谷間、平野の一部、道路脇などいたるところで栽培されている。


 ちょうど、新茶の刈り込みの1週間ほど前の時期で、見事に生えそろった双葉の茶葉がなんとも可愛く、清々しく、素晴らしい景観を作り出している。
 たどりついた地名の民宿も茶畑に囲まれていた。女将がクルマで川根温泉まで送迎してくれる。入浴料金も宿代に含まれるという。料理は高級料亭並みだった。(4月29日)

 タイムスリップしたような大井川鉄道

 2日目は、大井川中流部を行く。大井川鉄道の田野口駅。事務室にはダルマストーブが置かれている。しばらく待つと電車がやって来る。降りる人は誰もいない。線路にはカメラマンが一人、2時間後のSL到着を待ち構えている。時間が止まったような光景だ。河口から70キロの標識が出てくる。
 千頭駅の「音戯の里」で大休止。地元のお茶「川根茶」など、お茶関連商品が売られている。
 地元のサイクリストはトンネルを抜けて行くが、我々はトンネルを抜けないで川沿いの旧道を行く。時間がかかってもこの方が楽しい。寸又峡に向かう。寸又峡まで12キロあたりの分岐から川幅は狭くなってくる。




寸又峡から接阻峡へ

 接阻峡との分岐の尾根道から200メートル下って寸又川を遡り、早々と寸又峡に着く。山間の温泉地でひなびた雰囲気がある。さらに水平遊歩道を走り、寸又峡の「夢の吊り橋」まで行く。眼下の吊り橋を観光客が歩いている。絶景だった。
 登り返して、接阻峡への林道を行く。落石が多く、まったく整備されていない。「通行注意」と地元観光協会の立て札あり。長嶋ダムの上で天然記念物のカモシカと遭遇。10メートル上の林のなかから、じっとこちらを見ていた。  接阻峡温泉は山奥のちいさな温泉会館が1軒だけ。民宿から下駄を借りて温泉に行く。泉質はph8を越えるアルカリ泉で、肌はツルツル。「若返りの湯」とある。民宿「接阻」のイノシシ鍋、ご主人が囲炉裏の炭火で焼いてくれたヤマメも香ばしくて、美味かった。(4月30日)




雨の中、井川湖へ

 3日目。朝方のテレビでは、今日は一日中雨と云う。出がけにおにぎりを受け取り、自家製シイタケを頂く。民宿の心使いで、道中のことも心配してくれる。

 途中、トンネルのある道路を避けて、川沿いの累々とした落石を縫って廃道を行く。雨のなか、時折、山仕事に向かう軽自動車が登ってくる。眼下には、瑞々しい若葉が萌え立ち、薄い雲が大井川にたなびいている。雨に煙る大井川と云ってみれば、それまでだが、めったに体験できない光景で、雨もいいなぁと思える瞬間だ。

 そんなに苦労もなく、井川湖に到着。登山電車も終点の井川駅に到着。数人の観光客が降りてきた。井川湖も雨に煙っている。予定のルートを変更し、最短距離で静岡に向かう道をとる。ここからは約600mの登りとなるが、斜度はおよそ7〜8%程度で登りやすい。



 ゆっくりと高度が上がり、眼下の川筋も見えなくなる。11時すぎ富士見峠(1198m)に到着。富士山は見えず、とても寒い。休憩後、長い坂を下り始める。

 雨は降ったり、止んだりで時折、激しくなったりする。下り道には雨水が流れ、ブレーキが極端に効かなくなる。そのブレーキを握り続けていると、手がしびれ、次第に感覚がなくなってくる。時折、休んで手の動きの回復を図りながら慎重に下る。万一、スリップして転倒でもすれば、大事故につながるので、車間距離も十分にとって下る。路面状況と前を行く自転車の動きを見るだけで、下りでは周りの風景を見ている余裕はない。

 笠張峠への分岐で県道60をキープして、大間方面へ。湯ノ島温泉あたりで高度は300mとなり、傾斜もなだらかとなった。藁科川の上流域である。ここからは、周りの風景を見る余裕も出てきて、藁科川沿いの風景を堪能する。こうして標高差1100mの下りを無事に下り切った。
 藁科の都市山村交流センターで小休止のあと、安倍川との合流点の安西橋を渡って静岡駅へゴール。(5月1日)


TOP