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海外cycling塾

海外自転車ナビ術

 海外cycling塾で一通り、国内での走り込み、輪行経験などを終えて、いよいよ海外cyclingへと気持ちは向かうのだが、この段階でアドバイスすべき事柄、あるいは身につけておいたほうがよいと思われる技術はなにか。

 これを一言でいうのは難しいが、あえていうなら「ナビゲーション能力」だろう。ガイドがいて、なにもかも面倒をみてくれる、ある場合には荷物すらホテルまで運んでくれる。そうした海外におけるcyclingサービスも存在するし、それに参加している人たちのことも良く知っている。

 でも、それは例えば、主にその国の人々を対象とした子どもを含む家族向けのプログラムであったり、いわゆる名所旧跡を巡る短いルートであったりする場合が多い。外国人がその国を自転車で旅する場合を想定したサービスはかなり限定される。海外cyclingに明確な目標を持ち、自分自身の体力と能力で見知らぬ土地を駈け巡ってみたい人に向いたこの種のサービスはたぶん需要がないのか、あまり多くはない。そこで必要なら、ガイドやサポートをつけることになるが、当然、経費の問題が生じるし、そのほかにもガイドやサポートのあり方を巡り、さまざまな問題も生じたりする。

 ボク自身は、これまで試行錯誤しながら、少なくとも30カ国を越える自転車旅をしてきたのだが、そのなかで必要なものは語学など、いろいろあるなかで不可欠なものは「ナビゲーション能力」だと思う。

 自転車旅は、自分で行き先を決めて、そこに向かってルートを組み、ナビゲーションしなければならない。この点は登山に多少似ていなくもない。登山の場合、たいていはガイドブックが存在し、地図もある場合がほとんどだ。
 自転車の場合は、旅の目的を達成するためには、どのルートを選択するのかという要素が大きな比重を占めてくる。 したがってここでは、この「ナビゲーション能力」を取り上げたい。

 登山の場合でもそうだが、目標のルートをたどる場合は、まず現在地点の確認、目指す方向、目的地に至るルート(道)の選定が必要だ。
 昔だったら、コンパス、地図、そして山の場合は高度計がそのための3種の神器だった。
 自転車旅の場合も同じだが、最近はGPSが発達していて、これを駆使することで、正確かつ効率的なナビゲーションができる。そこで、GPSを利用して行う海外cyclingについて取り上げたい。

 GPSの基本的なことに関しては、当サイトでも取り上げている。そこでは一般的なGPSの解説、とりわけウエイポイントと呼ばれているものの概念、その応用、GPSとパソコンとの連携利用、GPSで取得した情報の様々な活用法などである。主に国内サイクリング向けに解説しているので、次のページを参照してもらいたい。

      http://cycle.tc/cyc061.htm








東京からグダニスク(ポーランド)までナビさせてみたGPSの画面
日本から北西方向8500キロと示されている。
スケールは細街路が見えるまでズーミング
赤ピンのウエイポイントはグダニスク駅
文字中の?は、ポーランド語のアルファベットがGPSにないので
?に置き換えられているため



 これらのGPS利用の基本を体得したうえで、次に海外におけるサイクリングのナビゲーションはGPS本体と出かける先のエリアのデジタルmapを組み合わせて使うこととなる。
 こうすることで、長期におよぶ海外自転車旅に不可欠だった、かさばって重い紙の地図は不要となり、コンパスや高度計さえも必要なくなる。方向と高度もGPSで常時チェックできる。


      フリーmapをMapSourceで表示させた。ベオグラード(セルビア)郊外まで走った時のトレース。
      青色(前日のトレース)に続けて赤色(当日)のトレースが確認できる。川はドナウ川。
      mapで黄土色のハイウエイ、黄色の幹線道路、白色のローカル道路、鉄道、水路などが
      識別でき、フリーmapでも自転車ナビに十分役立つ。例えば、鉄道沿いの道路は一般的に
      傾斜が緩やかなので、ルートとして選択できると判断することができる。


 GPSそのものはグローバルに使用できるから、できれば表示言語が英語版のGPSがよい。また使用するGPSは、グローバルなアウトドアアクティビティーで定評のあるGARMIN社の製品を使用することを前提にしており、紹介する海外フリーmapのサイトも同じくGARMIN社のGPSとmap表示編集ソフトのmapsouseの組み合わせ利用を前提としている。デジタルmapは有料のmapも多く輸入・販売されているが、フリーの優れたデジタルmapが簡単に入手できるので、その入手法と利用法を解説する。(以下の記述に際して、次の「シルクロード雑学大学」(歴史探検隊)のAnnexサイト「GPS使用方法解説」の一部を参考にした)

      http://kyrgyz2009.sakura.ne.jp/tp_gps_10_shiyouhou/gps_shiyouhou_index.html


海外フリーmapの入手  

 海外フリーmapの入手法はいくつかあるが、次のサイトがグローバルにエリアをカバーしており、またmapの品質もばらつきがなく、加えて入手法が比較的簡単である。
 ただし、フリーmapのダウンロードに際して、このサイトはブラウザのInternetExplorer、Sleipnir には対応していないので、FireFoxやGoogleChromeといったブラウザから、下記URLにアクセスして、英文の指示にしたがって利用(ダウンロード)することになる。

その手順は
(1)まず次のサイトにアクセスし、最初にリセットをかける。このサイトはGARMIN社のGPS使用を前提としており、routable とは自動ナビ機能を持ったデジタルmapのことである。

  Free maps for Garmin brand GPS devicesのサイト

  http://garmin.openstreetmap.nl/








このワールドmapの画面が表示されれば、ダウンロードができる。
表示されないときはブラウザFireFoxやGoogleChromeで再チャレンジする。



(2)最初に表示されるワールドmapを拡大し、必要なエリアを画面の中心に持ってくる(IEではワールドmapが表示されないのでブラウザを変えてみる)

(3)mapのタイルをクリックし欲しいエリアを選択(反転させる)する
  左窓に選択したmap名が順次表示される。タイルは「飛び飛び選択」も可

(4)選び終わったらEmail addressに自分のIDを入力する

(5)最後にBuild mapsをクリックする

(6)サイトを閉じると次のメールが届く
You successfully requested a Garmin map on http://garmin.openstreetmap.nl.

Below you find a link to a webpage that shows the current status of your request.
<http://osm2.pleiades.uni-wuppertal.de/garmin/status.php?id=1953bf4cf15b592b1073d8a243bd4fde>

Note: Your map will only be available for 60 hours. Please make sure to check your mail often enough so you won't miss the download window.

Regards,

(7)さらに15分〜2時間ほど待つ(込み具合による)
と、次のタイトルのmailが届く。

Subject: Your routable Garmin map request
From: Routable Garmin maps from OpenStreetMap <garmin@na1400.info>
Hi,

Your request for a Garmin map on garmin.openstreetmap.nl is ready.

The server has generated four different configurations of your map:
* _windows.exe = Installer for Garmin BaseCamp/MapSource (Windows).
* _macosx.zip = Installer for Garmin BaseCamp/RoadTrip (Mac OSX)
* _gmapsupp.zip = Combined image for direct manual placement on the GPS device (gmapsupp.img)
* _tiles.zip = A zip file containing the tiles in the request, especially useful for Linux users (e.g. QLandkarte)

Please browse to the website listed below and download the map configuration(s) you're interested in. Your request will be available on the server for 60 hours before it's deleted.
<http://osm2.pleiades.uni-wuppertal.de/garmin/generic/10-06-2013/b0e7e23a9b2a0cc3e2dbb79cded19e1a>

    ↑ これがリクエストしたフリーmapのセット(参考例)。
Enjoy!
==
Lambertus
http://garmin.openstreetmap.nl

If you try to download your map but get the message '404 Not Found' and you are sure to have requested the map less then 60 hours ago, then this is probably because of the following three options:
1) Please take a close look at the url in the email above as it is possible that a section of the url is on the next line. If this is the case then you have to copy/paste the url sections in the browser address bar (without the '<' and '>' characters).
2) The download window has passed and the server deleted your request to make room for other requests. If you tried to download around 60 hours after you received the email (check the timestamps in the headers) then this is most probably the cause, you can simply request your map again (and make sure you download soon after you've received the email).
3) A problem occurred while building the map. Please reply to this email (and include this email) stating that your map request has failed. Thanks!

These maps are created with OpenStreetMap data and hosting is sponsored by Oxilion. If you enjoy this service then please consider contributing to OpenStreetMap (http://wiki.openstreetmap.org/wiki/Beginners%27_guide) and/or using Oxilion for your hosting needs (http://www.oxilion.nl)

  ===このmailには概略、次の様に書かれている===
要求のタイル地図を結合しました。それをMapSourceで見られるようにMapSourceへのinstallerをつけてお届けします。下記のサイトにアクセスして地図fileをdownloadして下さい。このサイトは60時間後に削除されます。

(8)60時間以内に指定のサイトにアクセスする(オーダーサイトは個人により異なる)











(9)ファイル名が並んでいるこのサイトから、OSがWindowsなら、osm generic windows.exeをダウンロードする。
実行するするとmapsourceでフリーmapが利用できるようになる。事前に最新版のmapsourceを入手し、インストールしておく。

  mapsourceの入手先:
   http://www8.garmin.com/support/download_details.jsp?id=209

(10)次に、GPSで使用するフリーmapは、同じサイトの、osm generic gmapsupp.zip を使うので、これをダウンロードし、次の手順で使用する。
   a)osm generic gmapsupp.zipを解凍
   b)osm generic gmapsupp\gmapsupp.imgが出来る
   c)それをgmapsupp.img にファイル名を変更
   d)次にmicroSDカードのデレクトリgarminにコピー
   e)microSDカードで内容を区別するために印をつける
   f)microSDカードをGPSに装着
   g)GPSのSetupメニューでMapを選択
   h)Select Map に進む
   i)OSM generic routable を選択
   j)Map表示で表示される

 以上がフリーのデジタルmapを入手・利用する方法だ。



フリーmap利用と自転車旅情報

 入手したフリーmapだが、利用にあたり次の特長があることを理解しておく必要がある。それは、都市部、とりわけ大都市のmapには、かなりキメ細かい情報が盛りこまれている。細街路はもちろん、レストラン、ホテル、インフォメーションセンターなど。反面、カントリーサイドのmapでは、日本でいえば国道程度の道路しか掲載されていないという違いがあるので、そのことを前もって理解しておくのと、そうでない場合に、ナビゲーションに差がでてくる。

 これは、フリーmapが主にクルマの移動・・・ドライブ向けに作成されているからである。サイクリングに適したルートをこうしたmapから見つけ出すことは、ほとんどの場合できない。一般的なドライブmapから登山道を見つけ出すことができないのと、同じ理由だ。

 そこで、必要になってくるのは、こうした基本となるフリーmapと合わせて、その他の情報を組み合わせて、自分の目的にふさわしいルートを作成することである。

 これには、ある特定の地域やサイクリングルートについてのガイドブックやガイドマップがある場合は、それを活用する、またはその国の観光協会などから情報を入手するなど、多様な方法がある。あるいはサイクリストがGPSデータとしてインターネットで公開しているものを利用する方法もあり、これらを組み合わせて、最終的に自分のルートとして決定・作成する。

フリーmap上でルートを作成する

 Free routable maps for Garmin brand GPS devicesのサイトから入手したフリーmapでルートを作成してみよう。

 フリーmapはGPSで表示させ、現地でナビさせて利用するのが基本だが、一般的にはツーリングの準備段階で予定ルートを事前に作成しておくことが必要となる。
 具体的にはGPSではなく、PCのmap編集アプリ「MapSource」で、フリーmapをたどりながら自分なりのルートを作成するのが効率的だ。

 そのためGARMINのサイトから、「MapSource」の最新版を入手し「MapSource」を立ち上げ、さきにインストールしたフリーmapを選択し、選択したフリーmapが表示されていることを確認。(同様の目的のために最近は「Basecamp」もあるが、どちらでもよい)
 ルートを作成するので、出発始点をmap上で見当をつけ、適当な縮尺にする。

 出発始点とそれを取り巻く道路が表示されたら、鉛筆アイコンの「トラック描画ツール」をクリックし、目的方向に沿ってマウスをクリックするとmap上にルートが作成されてゆく。

効率よくルートを作成するサービス

 基本はこのやり方でルートを作成するわけだが、距離が長いと、膨大な作業となる。
実は、これを半自動で作成してくれるサービスがインターネット上に用意されている。
GoogleMapを利用して、グローバルにルートを作成できる素晴らしいサービスだ。
 今回は、この Bike Route Toaster というサービスを活用して、未知なる地域におけるルートを作成しよう。

 作成するルートは中央アジアを歩いてイスタンブールまでシルクロードの一部を旅するYさんへの支援として作成したが、未知の土地を目指すものにとっても参考になると思う。

 Bike Route Toaster というサービスはその名の通り、サイクリングのためのルート作りを目的として開発されたと思うが、もちろん徒歩旅行のルートも作成できる。

 Bike Route Toaster
⇒ www.bikeroutetoaster.com を立ち上げる。

 GoogleMapと「Controls」が組み合わさった最初の画面がでる。「Auto Routing」をONにして、出発始点をクリック。次に進みたい方向の地点をクリック。すると道路にそってルートが作成され、要所要所にポイントマークも立つ。


Bike Route Toaster で中央アジアのルートを作成中

 このBike Route Toaster のAuto Routing は素晴らしいが、ときおり意図しないルートを作成したり、大きく迂回するルートが作成されてしまうことがある。しかも「Delete Last」で元に戻しても、修正が効かないこともある。そこは割り切って、作成後にMapSourceで修正することにし、作成されたルートをPCに取り込む。
 Auto Routing で作成するコツはなるべく短い距離を尺取り虫の感覚で作ると案外うまく作成できる。一気に長い距離をAuto Routing させると、意図しなかったルートが作成されてしまうということが起きるからだ。

 作成したルートのPCへの取り込みは「Summary」画面で行う。この場面では「Elevation Chart」も示されるので、山岳地帯を回避するルートとして、ルート自体を作り直す際の判断としても使える。
 「Couese Details」にはルートの長さのほか詳細が示される。「Download」の「Couse Name」に名前を入れなくてもよく、Download To File: のうちの「gpx」をクリック。次の画面で取り込み先を指定して、「保存」する。

 取り込んだgpxファイルをMapSourceで立ち上げる。GoogleMapで作成したルートがMapSource上で表示されたことを確認。


MapSourceで中央アジアルートを修正した結果

 もし作成したルートの修正が必要なら、MapSourceで行う。MapSourceで用意されている「トラック描画ツール」、「トラック結合ツール」「トラック分割ツール」などを使い、必要なルートの分割、部分ルートの作成、ルート結合を使って、仕上げればよい。

参考になるガイドブックなどの情報

 終わりにあたって、海外サイクリングに関してボクの経験の範囲で、ガイドブックや長距離ルートなど、いくつか情報を紹介しておく。

・アイルランド⇒「Cycle Touring Ireland」、「CYCLING IRELAND」のガイドブックがある

・アメリカ⇒ガイドブック「CYCLING USA WEST COAST」などがある。

・ドイツ⇒全ドイツ自転車クラブ(ADFC)http://www.adfc-berlin.de/ で実に多くの情報が得られる。

・オランダ⇒王立オランダツーリスト連盟ANWBのサイクリングガイドが便利。

・イギリス⇒自転車旅行を推奨している団体「SUSTRANS」に、主にサイクリングmapなどが豊富に用意されている。

・スペイン⇒スペイン巡礼路に関してイギリス人のガイドブック「THE WAY OF ST JAMES」がある。

・ヨーロッパ全体⇒ヨーロッパのサイクリング環境の構築とその情報を提供している団体「European Cyclists' Federation」(http://www.ecf.com/)で、ヨーロッパサイクリングネットワーク「EuroVelo」(http://www.worldlingo.com/ma/enwiki/en/EuroVelo/1)を主に指定・情報提供している。


      ヨーロッパ・サイクリングルート図。平均1ルート5000キロ、合計12ルート、延べ距離63000キロを設定している。

 このEuroVeloのルート選定基準は、(1)勾配6%以下で、(2)自転車2台並んで走れる幅があり、(3)平均1000台/日以上のモーターバイクの通行がないこと、(4)ルートの80%以上が舗装路、(5)通年走行可で30キロ毎のサービス設備、50キロ毎の宿泊施設、150キロ毎の公共交通機関へのアクセスがあること、とかなり厳しい。これから理解できるように、決して冒険家だけが走ることができるルートではなく、ごく一般的なサイクリストでも走れるルートとして指定している。スペイン巡礼路、アイルランド周回、イギリス南部横断など、ボク自身が過去に走ったルートもEuroVeloのルートと重なっているので、時間と体力に合わせ、このルートの一部を走ればよい。

 


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