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石廊崎・天城峠・下田     2011/11/1-3

 今年2月の伊豆半島一周に続いて、下田を足場に3日間、伊豆のあちこちを走ってみた。

なめこ壁残る石廊崎への道

 下田駅で自転車を組み、午後1時半の遅いスタートとなった。県道119号線はすぐに登りにかかる。下田の街は意外に小さい。標高85mの大賀茂トンネルを抜ける。次は八声トンネル。南伊豆町にはこうしたトンネルが随所にある。南伊豆町の案内板には「竹林の里」とあり、竹藪や、立派な杉、檜の植林もある。県道121号線では「なめこ壁」の家や蔵が時たま見られる。



 一色から国道131号線をたどる。差田からは県道16号に入り、白坂トンネルを抜けたら石廊崎は目の前だ。斜度9%の長い下りを一気に降りる。
 高台に駆け上がり、眼下に午後の日射しに輝く海辺の風景を飽かずに眺める。
 石廊崎漁港に到着。港は海に突き出た二つの岬にはさまれた細長い水路で、午後3時なのにあたりは夕暮れのようだ。地元の祭があり、人々は正装をしていた。
 港を上がれば、碧い海、岩礁、咲き残ったハイビスカスも見られ、石廊崎は輝いていた。その磯辺を写生している女性グループもいた。



 道は、今年の2月に訪れた青野川に入る。河津桜の名所だ。弓ケ浜大橋を渡り、弓ケ浜温泉を右に見て左折し、また丘を越えて海岸部に戻る。トンネルを幾つか抜けて午後4時半頃、下田に戻る。数え切れないほど短いトンネルを抜けた53kmの半島最南部だった。(11月1日)



修善寺から天城峠へ

 朝の電車で伊東まで行き、9時半すぎに県道59号で冷川峠を目指す。駅前ではアメリカからの若いカップルがフォールディングバイクで伊東市内をポタリングしようとしていた。自転車は各地を訪れた時に乗り、京都までの列車中心の旅という。同じ旅のスタイルだったアルゼンチンからの訪問者を案内して奥多摩を走ったことを思い出す。
 県道「伊東西伊豆線」は修善寺を経て西伊豆までの半島横断道路だ。バックの大室山の端正な姿を見ながら8キロほど登ると標高320mの最初の峠に着く。次が冷川峠で標高は365m、ここまで10キロ。ここから伊豆市に入る。かなり開けた盆地の中伊豆(標高138m)を抜け、修善寺温泉には11時半に着く(標高105m、26キロ)快調だ。



 修善寺に詣で、独鈷の湯に手をつけてみる。最近は入浴禁止となっているが、ここで入浴した日のことを思い出す。天麩羅蕎麦をかき込んで、修善寺ハリストス正教会のひなびたたたずまいに送られ、天城峠を目指す。途中(標高332m)の名瀑「浄蓮の滝」は見逃せないスポットだ。滝壺までの百数十段を降りれば落差25mの太い滝があたりを圧している。滝壺を囲むのは斜めに露出した柱状節理で、滝の飛沫をあびて鈍く光っていた。傍らには石川さゆりの歌碑「天城越え」が楽譜とともにあった。
 さらに登坂を続けると「いのしし飛出し注意」の赤い標識があり驚く。「日本一」と称する急斜面を利用した「わさび田」を見上げ、峠手前から「旧道」の砂利道に入ると、深い森の中に「伊豆の踊子」の文学碑が建っている。碑には川端康成の小説の一節…九十九折りの峠で驟雨が主人公を追いかけてくる描写が彫られていたが、この日は時折薄日が差す曇だった。



 14時すぎに天城山隧道(標高713m)に到着(48キロ)。苔むしたトンネル表示板の下の暗闇の向こうに出口が小さく光っている。トンネル内部は観光客向けにほのかなライトが灯り、歩行者やクルマも通れる。
 砂利道が続く4キロを慎重に下り、標高490mでようやく国道に合流する。あとはひたすら下って海岸部に出て、海沿いのアップダウンをこなし、16時過ぎ下田に帰着(79キロ)した。(11月2日)

下田ポタリング

 下田に日本で初めてアメリカ領事館がおかれた玉泉寺を訪れる。境内に当時13の星数だった星条旗が掲げられたという掲揚跡、嵐の海でマストから転落死した若い水兵など、日本への冒険航海の途中で亡くなった乗員の墓もあった。幕府の交渉でしびれを切らしたハリスが散歩した「ハリスの小径」が遊歩道となっていて、その道端に少年特攻兵がくりぬいた洞窟跡と平和祈念碑もあり、下田の歴史に思いを馳せることもできる。
 爪木崎では、アロエの群落が開花前の穂先を伸ばしている面白い光景が見られた。開花すれば鮮やかなオレンジ色に染まるという。年末から新年にかけて、爪木崎灯台をバックにアロエと水仙が同時に開花する不思議な岬だ。



 市内に戻り、情緒が残る「ペリーロード」界隈、ペリー艦隊上陸記念碑などを巡る(22キロ)。波静かな下田港では黒船サスケハナ号がマストの影を落としていた(11月3日)




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