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伊那・南木曽越え    2008/5/01-04

 伊那山地は、南アルプスの西側に平行して南北に延びる標高1,600〜1,800mの山域である。 ルート沿いの山は2000メートルまでの低山が連なっており、標高差100メートルを越える登り坂だけでも11個所、最高高度差は800メートルを越え、登りの累計だけでも8000メートルを軽く越えてしまう。そこを越えて飯田経由で中津川まで走ろうというとんでもないツアーに参加した。4日間の平均登坂高度は連日2000メートルを越えた。日本は山国であることを実感。

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残雪の八ヶ岳連峰を仰ぐ (1日目)

 「あずさ」で輪行したメンバー4人は茅野駅で支度し、11時にスタート。
まず、茅野の安国禅寺を左折。10分ほどの登りで国道152号線に入る。
斜度4%程度で道幅も結構広い、。時折、トラックやマイカーも越えてゆく。咲き残るサクラや唐松の新芽が初々しい。杖突峠の手前で、残雪の八ヶ岳連峰が北の蓼科山から南の編笠山まですべて見渡せた。ここは標高1145m。
 杖突峠を通過(1190m、12:20)し、伊那市に入る。ちょうど10kmの上りだった。標高は1225m。午後は国道から離れて林道を辿る。静かな千代田湖を過ぎて金沢峠の「クマ出没」の看板を横目に、本日の最高地点(1525m)まで登り、芝平峠(27km、14:40、1469m)へ。
 ここからはダートの下りで、少しおっかない。慎重に降りる。やがてゆるやかな下りとなり、美しい渓谷のなかを走る。山の中の自然と一体となった静かな暮らしぶりを思わせる小さな集落を通過。花々が咲き揃い、ことのほか美しい。
 美しいダム、美和湖に沿って走る。山の斜面にはヤマブキの花が輝いている。やがて市野瀬の宿「入野谷」(16:40、55km、866m)に着く。
 十分な量の夕食で4人で一升瓶を空ける。初参加のSさんはうれしそうだった。村営だったこの豪華施設も赤字で昨年から第3セクターに委託されているとか。




 ダートの登りは辛い (2日目)

 出発は8:30。3キロ戻り、美和湖の端から国道を離れてダートの急坂を登る。女沢峠へはこの急坂すべてをダートで上らなければならない。ペダリングの度にズルッと滑り、グリップが効かない。ダートの登りは大変だ。ボクの32mmのタイヤだけかと思ったら、Sさんの38mmのタイヤも同じだった。1:1のギアでゆっくり登る。踏み込みよりも、引き上げを多用する。約2時間かけて登りきり、女沢峠に着く(10:30、標高1305m、10km)。
 財政難の村なので舗装できなかったこのルート、下りは駒ヶ根市の市道となり、完全舗装で実に楽チンだ。大平の近くで、中央アルプスが眼前に見えた。圧巻だ。この雄大な背景と、花々に彩られた周りの田園風景に、しばし見惚れる。大平(標高702m、12:00時、22km)。
 大平から折草峠まで1時間半の登り。舗装の登りはとても楽だった(標高1174m、29km、13:30)。長い下りを楽しんだあとに大鹿村に着く。
 ここの「農村歌舞伎」は有名で、5月3日に上演され、観光客がドッと来るというので、会場となる大磧神社では準備に追われていたが、声をかけたおばさん達の話では、歌舞伎の衣装を5千万円かけて作り直したという。その費用が例のふるさと創生資金だ。金塊を買った村もあったが、伝統の村の文化の継承のために活用したというのが素晴らしい。神社からかなり登って赤石荘着(標高940m、53km、16:30)。本日の平均時速は12km。最高時速は53km。
 赤石荘の露天風呂はツルツルのアルカリ泉で、遠くに中央アルプスの宝剣岳が見えた。山荘の背後には赤石岳が至近距離でせまっていた。




南アルプスの眺望楽しむ・・・しらびそ平 (3日目)

 スタート8:30。朝から、一気に下って村に架かる小渋橋まで。この橋からは赤石岳が見納めとなる。ここらあたりの国道はまるで林道だ。その国道152を青木川に沿って行く。青木川から地蔵峠へ向かって分かれる沢筋に中央構造線が露出している。大鹿村の安康中央構造線だ。2本の帯状の黒い岩石を明瞭に識別することができた。中央構造線は日本の代表的な断層帯で、ここ中部日本から紀伊半島、四国、九州へと続いている。これが大鹿村の安康沢で一部が浸食で露出していることから安康露頭と呼ばれ、長野県の天然記念物で、日本地質百選にも選ばれているという。
 小渋から、ちょうど2時間で地蔵峠に着く(1315m、16km、10:30)。続いて本日の最高地点通過(1495m、19km、11:10)。
 ここで、計画にはないオプションコースを走ろうということになり、しらびそ峠行きを決める。この登りでは沢筋に残雪も見られた。しらびそ峠は有名スポットのようで、マイカー、バイクも多く、また何人ものサイクリストに会った。しらびそ峠(27km、1833m、12:30)からは、残雪の聖岳や光岳を望む。休憩後、しらびそ峠への分岐入口(34km13:10)までとって返し、上町までの豪快な下りを楽しむ。
 上町(50km)で通り雨に会う。しばし雨宿りの後、つらい登りが始まる。覚悟を決めてゆっくりと引き足で林道を登る。赤石林道は車2台が通過しただけ。赤石峠(59km、1195m、16:00)のトンネルの長さはちょうど1キロ。ここから一気下りで飯田へ。宿に向かう途中で、Kさんが泥除けネジの緩みを締め付け。そこへ地元の消防団の若者たちが集まってきて、なにかと世話をやいてくれ、アイスクリームまでくれた。中高年のおじさんサイクリングが珍しく、こちらが話題提供したかたちだ。
 宝の湯(80km、18:00)では食いきれないほどの料理がでた。鯉の甘露煮に鯉の「洗い」、岩魚のあんかけなど。しかし酒はなぜか福井産だった。本日の平均時速12km、最高時速55km。




飯田峠を越え南木曾へ (最終日)

 出発8:20。最終日は雲ひとつない晴。路面にはチェーンリングがキラキラと映っている。天竜川も輝いていた。かなり暑くなりそう。飯田(標高400m)から県道8号を大平、南木曾をめざす。大平宿まで19km、南木曾へは45kmのほとんど登り坂だ。好天のもと農家は苗代作りに追われている。リンゴ、ブドウなどが広大な斜面に広がっている。松川ダムを眼下に見ながらゆっくりと登る。牛踏(うしふんばり)など、当時の峠越えの苦労を彷彿とさせる地名も残されている。そよ風が心地よい。まるで初夏だ。
 飯田峠まであと4km、サクラ吹雪の下、ここは「勝負平」。まさに勝負だ。野猿がゆっくりと峠道を横切っている。飯田峠(11:10、23km、1235m)まで楽しく登れた。
 家族連れが多いキャンプが盛んな大平宿で休憩し、木曽峠(12:40、29km、標高1358m)に着く。途中でルートを変更し、国道19号を飛ばし、妻籠の歴史的家並みを自転車を引いて歩いたあとは一気に中津川へ。中津川着(15:15、70km、平均時速14km、最高時速54km)。4日間の延べ走行距離262km。

 茅野から中津川まで、連日、自転車で山越え。人はなぜそんなアホなことをと云うかも知れないが、すごいことをやり遂げた充実感がある。後半は何組ものバイクの人達と会ったが、そのなかの一組はなぜか「バイクですみません」と云っていた。







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