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  ●第1日(2005/11/13)函館空港⇒大沼、函館ポタ  55km 約4時間

 羽田発7:40のJAL1163便は順調に函館に着く(9:00)。早速、空港から徒歩5分のクロネコ函館で自転車を受け取り(9:15〜9:45)、トラピスチヌ修道院へ出発する。
 天候は曇り、時々薄日。時にパラパラと来ることもある初冬独特の天候だ。とても寒い。手袋を換える。

 明治31年、フランスから派遣された8人の修道女によって創設された日本初の女子修道院、トラピスチヌ修道院(9:55、2km)は周辺のシラカバ林も美しく、静かなたたずまいのなかにあった。続いて海沿いにある啄木記念碑に立ち寄る。「砂山の砂に腹這い 初恋のいたみを遠く おもい出づる日」。啄木がまだ若い頃の作品だろうか。啄木像の背後に函館山が湾を隔てて横たわっている。

 開港した函館を防衛する目的で立てられた西洋式の城、五稜郭の跡は広大だったし(10:50、13km)、紅葉も見頃だった。公園を散策する人が何人もいる。ここから大沼までは一般道を行く。ゆるい登り基調の道を、遠くの山々の紅葉を眺めながら進む。

 さらに道は緩やかな登りにさしかかり、長い大沼トンネルを抜けたら風景が一変した。初めて訪れたものを驚かすには十分だ。小沼の向こうに初雪で薄化粧をした駒ヶ岳が迎えてくれたのだ(12:05、35km)。道南唯一の雄大な風景は小沼を半周する間も、駒ヶ岳の鋭いピークがどこからでもよく見え、さまざまに変化があり美しい。大沼公園付近で休憩をとり、同駅発13:44で函館(スーパー北斗10号 1130円)で函館駅に降り立つ(14:04)。

 函館駅(14:25、48km)から、市内西部地区をポタリングする。まず駅近くの青函連絡船「摩周丸」を見て、観光スポットで有名な赤レンガ倉庫群を回る。倉庫では観光客目当ての様々な品物を販売している店が賑やかだが、あまり興味がない。倉庫に絡まる蔦の紅葉が美しい。アイヌやアリュートなどの文化を展示している「北方民族資料館」(300円)を見て、ハリストス正教会に行くために函館山を少し登る。函館山は自転車で登ることは禁止されており、できなかったが、このあたりからでも西部地区と港がよく見えた。宿の「JALシティー函館」に自転車をデポしてから、谷津頭温泉に市電に乗って行く。これも風情があっていい。谷津頭温泉は茶褐色だが、有名な温泉らしい。夜は函館で刺身と寿司を満喫する。本日の走行55km。


  ●第2日(2005/11/14) 洞爺⇒室蘭 82km 約4時間強

 動き出した函館朝市で「豚汁定食」(650円)を食べ、満足する。毛蟹を注文してしまう。なんか朝市の雰囲気に負けている。そしてJRで函館駅から洞爺に向かう。
 カラマツ、シラカバ、カエデなど、素晴らしい樹林帯のなかを北斗1号はうねりながら進む。ときたま警笛を鳴らして野生動物を追い払いながら…。晴れているのに雪が降っている。

 洞爺駅で自転車を組んで出発(09:05 2km)。しばらくすると登り坂。峠の向こうに、火山の蒸気がもくもくと上がっているのがよく見える。有珠山の噴気だ。途中の展望台からは噴火で破壊された菓子工場跡などがそのまま保存され、自然の脅威を目の当たりにすることができる。


 

 洞爺湖畔の有珠山噴火記念公園前着(9:50、10km)。近くには洞爺湖温泉、壮瞥温泉、スキー場などもある。これから一周しようというときに雪がちらつきはじめる。雪のなかを時計回りに洞爺湖を一周する。これも北海道らしいと自分に言い聞かせながら行く。もちろん他に自転車などはまったく走っておらず。たまに地元のクルマや軽トラと出会う程度だ。雪やガスのため洞爺湖の全貌は見えず、かえってその神秘的な光景が旅情を誘う。

 壮瞥に入り雪止む。路面も乾き、時々薄日も差す。地域的に気象条件が目まぐるしい。洞爺湖の一周は無事終了(11:30、40km)する。東室蘭にむけて走り、途中で休憩(12:00〜12:30 49km)する。ビールの空き缶を壁面に貼り付けたとんでもない感じの店だったが、「オムレツカレー」は美味だった。

 

 室蘭を見下ろす白鳥展望台(13:40〜50 69km)に到着。続いて東室蘭着(14:30 80km)。しかし天候は今にも雪になりそうで、室蘭市内のポタリングは割愛する。

 函館に戻る特急も架線故障で90分の遅れ。江差までの乗車券と函館までの特急券を買い、定刻2時間前のベタ遅れの特急に乗れた。暮れなずむ噴火湾。波は静かだが、空は冬のごとくなり。函館着(18:20)。夜はホテル近くの飲み屋でうまい魚と地域情報を入手する。明日の「中山峠」は雪になればやめたほうがいいとマスターが云っていた。


  ●第3日(2005/11/15) 江差⇒中山峠越え⇒函館空港 87km 4時間半

 函館駅7:04〜9:18江差駅、この区間を走るのはディーゼルカーで、しかもたったの1両編成だ。函館から乗り合わせたのは木古内までの通学生のほか、通勤客と旅行者のふたりほど。沿線のうらぶれた風景や貨車を再利用した駅舎がいっそうわびしさを深める。
 ふと見た車窓からは、昨日見た、駒ヶ岳が真っ白に輝いている。昨日は山襞にわずかな初雪の痕跡があったがそれが今朝は全山純白だ。季節は確実に冬に向かっている。
 途中から猛烈な雪となった。先が思いやられるが、しばらくすると雪は止んだ。原野や森が茶褐色の秋の彩りから白一色の冬の色に染めあげられる。

 江差の駅もわびしい雰囲気が漂っていた。駅に降りたのはボクと旅行者の二人だけ。江差の海には絶え間なく押し寄せる冬型気圧配置のために陰鬱な黒い空がたれ込めていた。冬の北の海の風景そのものだ。いままで晴れていたと思ったら、また雪だ。今度はみぞれ交じりだ。雪が降れば中山峠で難渋するから、無理はするなよと夕べの居酒屋のマスターが云っていたのを思い出し、行こか、やめとこかと気持ちが揺れる。江差を一回りしてから、またディーゼルカーで戻る手もあるし・・・などとも思う。

 江差駅発(9:25、2km)。開陽丸、いにしえ街道とニシン御殿(横山家)を見て回り、国道筋を北上しはじめると、このまま函館へと向かう気持ちが固まってくる。
 そんなに激しい雪ではないが、容赦なく降りかかってくる。交通量が多いので路肩の道を進む。函館まで65kmとの表示がある。もはや進むのみと覚悟を決めて、雪の繁次郎浜を行く。函館までの道は国道227号で極めてわかりやすい一本道だ。

 シャーベット状の雪が靴のなかに入り込んでくる。着込んでいるので、汗でなかから濡れてくる。鶉温泉付近(11:00、28km)、木間内と過ぎたあたりで雪の勢いが衰える。鶉ダム(11:44、37km)で雪止む。中山峠は1合目から9合目までの表示があり、勾配は6%でたいしたことはないが、標高350mの中山峠(12:40、43km)になんとか到着。

 

 峠からは下りで、最高速度40km以上で大いに稼ぐ。走りやすい道だ。GPSに従って大野川に入るがダートとなったのをしおに国道に戻る。函館市内に入り西部地区に寄らずに真っ直ぐ空港方面を目指す。湯の川温泉(14:00、84km)で汗を流したあと、クロネコ函館(15:40到着、87km)で自転車を託送して空港に向かう。

 これで日本海から太平洋側への渡島半島の横断が完成した。闘ったのは雪でそんなに疲労感はない。4時間半の力走だった。函館空港発18:55(ANA864便)で帰京。道南走行は計224kmとなった。

 3日間で道南を3個所にわたりサイクリングしたが、道南というところと、初冬の北海道をしっかりと体験させてもらった。身体も心も北海道の厳しさを実感した旅でもあった。特に最終日の江差から函館に抜ける「雪の中山峠越え」はいろんな意味でサイクリストして試されたコースとなった。



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