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自転車と健康

 その昔、ジョージ・ブッシュが大統領だった頃、彼は牧場のなかをMTBで走っていて転倒し、顔や掌を痛めたことが面白おかしく世界中に報道されました。アメリカの新聞によれば大統領はランニングをやりすぎた結果、ひざを痛めていたので、ひざに負担をかけないトレーニング方法として医者から自転車に乗ることを勧められていたとも報道されました。
 つまり自転車はスポーツによってひざなどを傷めた場合や、高齢によるひざ関節の老化の場合でも、ひざに負担をかけないスポーツとして広く知られているのです。
 ブッシュ元大統領のようにランニングからの転向者や、登山をやめて自転車にしたという人も実に多くいます。かくいうボクはスキーからの転向組です。

ひざに負担かけない自転車運動
 というわけで、ここでは自転車と健康管理のことを考えましょう。中高年になれば、だれでも医者から健康管理についてあれこれ云われることがあります。そこで、ジム通いやプール通いが始まるのですが、なぜか長続きしない人が多いのも事実です。

 その理由は、ジムのペダル漕ぎは退屈ですぐに飽きることもあるだろうし、たいして効果もないのに高い利用料負担に嘆いているといった経済的負担もあるかもしれません。

登山やランニングとの違い
 大流行している中高年の登山ですが、あまりに膝の負担が苦しくてと登山をやめる人も多いと聞きます。なるべく膝に負担をかけないようにと、ストックを使用しても、特に長い急坂の下りでどうしても膝に大きな負担がかかることは避けられません。これが如何に辛いことかは経験した人ならよくわかることです。スキーだって同じことで、ターンの際の加重が特に膝に集中するので、若いときのように無理が効かなくなって、膝の靱帯などを痛めてしまいます。
 ランニングも同様で、足指や膝を痛めることがあるし、真冬でもランニングシャツとパンツで走っているランナーを見かけることがありますが、つい「なんとかの冷や水」という言葉を連想してしまいます。

 これらに比べて、自転車の場合は、おおむね水平移動ですから、登山やスキーのように体重が膝にかかるということはありません。そのうえサドルとハンドルが上半身の体重を支えてくれます。ペダリング動作は逆に後述するように膝を痛めるのでなく、むしろ下肢と腰まわりが強化されるので、足腰が弱りはじめた中高年には特に適した運動であるといえます。

 ペダリング動作は、中高年に特に優しい運動です。自転車は下半身の運動だけではないのかと疑問をもつ人もいるでしょう。しかし、そんなことはありません。確かに鍛えられるのは下肢の筋肉が主ですが、意外に知られていないのは腰周りの腸腰筋と背筋力です。前屈みの姿勢で自転車に乗っているのに、自転車を降りたとたん背筋がピンと伸びている人が多いですね。自転車は美しいスタイルも作れるのです。
 腸腰筋や背筋は自転車の立ち漕ぎ動作(ダンシングと呼ばれている)や坂登運動によって特に発達します。

腸腰筋を鍛えよう

 腸腰筋は、背骨と両足の付け根を結んでいる大腰筋と呼ばれている筋肉と、骨盤と足の付け根を結んでいる腸骨筋と呼ばれる筋肉の総称です。これは太ももをあげたり、尻の筋肉を上げたり、骨盤を正常位置に保つ働きがあり、この腸腰筋が衰えると転びやすくなったり、猫背になったり、内臓下垂や血行不良になったりすると云われています。
 自転車のペダリング動作では、常に両足が180度の差があるペダルを回転させています。ペダルのどちらかが上側にきたときに、無意識にペダルを押し下げて推進力を得る動作を行いますが、そのときに反対側のペダルに乗った足が持ち上げられ、太股もあがります。この太股の持ち上がり角度は、かなりの角度であり、ほぼ水平と云ってもいいでしょう。これは屋内階段を上る際の角度を上回ります。通常の歩行や、ランニングでは得られない太股の持ち上げという、いわば中高年にとっての「大仕事」がペダル動作で、いとも簡単にできてしまいます。この太股引き揚げ動作が、実は腸腰筋を鍛えているのです。
 ペダリング動作で、太股を持ち上げているのは、ペダルと回転軸との間の長さです。このクランクと呼ばれているこの長さが普通のママチャリで15cm、スポーツタイプの自転車で約18cm程度あります。つまりペダルを漕ぐという動作は両足に常に30cmの差をつけることで、無理なく膝を押し上げているのです。ですから、スポーツジムでも「自転車漕ぎ」運動が推奨されています。そういえば「寝たきり予防! 自転車エクササイズ」という番組をテレビでやっていましたね。

 スポーツジムでの「自転車漕ぎ」という言葉は可笑しいですね。いくら漕いでも走ることはないのに「自転車漕ぎ」なんて…。ペダル漕ぎ運動が正しいと思います。ボクなどは、あんな退屈なことがよくできるなと思っています。しかし、このペダル漕ぎ運動は雨でもできるし、夜でもできる、その気になればマンションの自室に備えて、いつでもできるという声が聞こえてきます。近くに安全なサイクリング環境がない場合や、夜しか時間が作れない人は、このペダル漕ぎ運動がいいかもしれません。しかし自転車の場合はたんなる身体への負荷というだけでなく、風をきる爽快さ、花の香り、周りの風景も含めて人間をリラックスさせる効果があるのです。

 始めにダイエット目的で自転車に乗るのは30分以上にしましょうといいました。自転車の30分は、それこそあっという間に過ぎてしまいます。 そのうえ、ある程度長時間のペダリング運動による有酸素運動で、カロリーが消費されます。脂肪が減って、逆に筋肉が増加し、体脂肪値がみるみる向上します。サイクリング後の爽快さと身体が軽くなったことが実感できるでしょう。

何歳まで走れるか

 サイクリングはいくら身体にやさしい、中高年向けのスポーツだとしても、日本の道路環境の厳しさや、総体的な体力の衰えによって長期間のサイクリングにはおのずと限界が訪れるものです。
 その限界年齢は、個人差が大きく何歳頃と一概に言えるものではありません。日常のトレーニングでも大きく変動もするでしょう。
 リタイアして、新しく自転車を始めようとする場合、自分ははたして何歳まで自転車を楽しむことができるだろうかといった、大まかな展望を描いてみることです。夢といってもいいかもしれません。
 自転車を始めて、いきなり海外サイクリングは無理なことだとお分かり頂いたと思いますので、自分なりの長期計画を立てることも、第2の残された人生を有意義にするためにも必要なことです。
 リタイア後からほぼ20年間、楽しむことができると仮定しても、そんなに長いことではありません。むしろ自転車を余裕をもって楽しめるのは、ごく限られた年数かもしれません。ボク自身は80歳までは自転車で海外旅行もできる現役でありたいと思っているのですが…。これもその年齢になってみないことには分からないことかもしれません。





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