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自転車旅とGPS                        多摩川中流域から行ける
GPSトラックを利用したルート  
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 GPSシステムを利用したナビゲーションは、様々な機種が売られていて、サイクリング用として適しているのはどの機種がいいのか、とまどうこともあります。ここでは自転車旅とGPSについて考えてみます。

 従来、自転車で未知のルートを走る場合は、紙に印刷された地図や、地図帳を利用するほかありませんでした。もちろんそれだけでは不十分で、コンパスや場合により高度計も必要でした。
 これらを使って、自分が向かう方向を決めるには、まず、@現在地点の確認。Aコンパスが示す方角に地図を合わせる。Bその上で進行方向を決定する・・・という3段階の手順が不可決で、当然、自転車から降りてある程度の時間も必要でした。実際にそれをやっている人ならわかると思うのですが、紛らわしい分岐点を間違いなく通過するには、頻繁にこの作業を行わないと、とんでもない方向に進んでしまうことになってしまいます。つまり、この「ルート・ファンディング」と呼ばれているこの作業は、サイクリストにとって結構面倒なものなのです。

そこに登場したのがGPS。この道具は、地図とコンパス、そして場合によっては高度計が組み合わされていて、このGPSを自転車のハンドルやフロントバッグに取り付けて走れば、刻々と現在地を中心に地図そのものが「カーナビ」のようにスクロールしてくれるのです。北に向かっているのか、南方向なのかも常時表示され、おまけに現在の標高まで表示できます。
 常に進行方向を上向きに表示させる「トラックアップ」という表示方法で表示させると、進行方向の地図を広い視野で捉えることができ、前もって進行方向を予知したり、変更するときに便利です。
 あらかじめ、パソコンで自分の行き先を道路に沿って「秩父ルート」などとして作成し、それをGPSに転送しておき、「ナビゲーション」させれば、常時、進行すべきルートが表示され、それをたどればいいので、秩父に向う場合や、あるいは秩父そのものを走る場合に、道に迷うということがありません。仮に進行方向にYの字状の分岐があり、間違って辿ったとして、ものの100メートルも行かないうちに本来の設定したルートから外れていることがわかるので、簡単に修正できます。つまり、2万メートルの宇宙からの衛星電波を受信して正確な現在地を基準としてナビができるので、極めて正確かつ効率的であり、また、何冊もの地図をもつ必要がないのです。従来の地図とコンパスを利用したルートファンディングのやり方からすれば、「革命的」で、今後ますます普及することでしょう。
 GPSの本機以外に、25,000分の1の地図ソフト(全国版)などが発売されていますので、必要な地域をGPSに転送して持ち出せば、詳細な現地図をたよりにサイクリングすることができます。同様にアメリカやヨーロッパ地図も使えるタイプもあります。ルートファンディングの際にいちいち立ち止まってチェックする必要がなく、途切れることのない走行ができるようになるなど、GPSを使いこなすと、もう紙の地図とコンパスを組み合わせるルートファインディングのやり方に戻ることはないと感じています。
GPSは別売のデジタルマップと組み合わせて購入すると、スポーツ用自転車1台分ほどする高価な買い物になりますが、それを補ってあまりある価値があると思っています。

 さて、そのGPSの自転車旅での利用のノウハウです。この解説は特定のGPS機種に依存しないで、自転車旅ならではの利用法について述べていますので、特定機種については必ずマニュアルを読んで、いただくことが前提です。それでは、まず自転車旅の場合のGPS利用の基本点です。

<ウェイ・ポイント>

 まず、GPSの基本であるウェイ・ポイントと呼ばれているものについての理解が必要です。ウェイ・ポイントとは、GPS上などで示される、ある特定の1地点のことで、緯度・経度情報や高度と時刻で作られます。例えば、「新宿駅」という交通機関がある地点であったり、標高3776メートルの富士山頂であったり、ダブリンの西方向20キロの丘の上であったりします。
 つまりウェイ・ポイントとは海面下や建物内、洞窟内などを除く、宇宙からの電波で測定可能な地球上の特定地点をGPSが取得した情報のことです。またそれとは別に、あらかじめPCのデジタル地図から緯度・経度数値を取得し、それに名前をつけたウェイ・ポイントをGPSに転送しておき、現地または現地の近くで表示させ、その地点までナビゲーションさせることができます。ナビは現地点から目標のウェイ・ポイントまで直線で結ばれて、その方向や直線距離が示されるだけでなく、道路に沿って走行することができる「道筋」として作成・表示させることもできます。主にクルマでドライブする場合に考案されたナビ方法ですが、自転車でも使えます。

 GPS利用の場合、このウェイ・ポイントが基本です。これを利用して、デジカメ写真を撮った場所をポイントとして記録しておけば、撮影現地の風景の位置を特定できるかたちで残せるので、さまざまに利用することができたり、野鳥が好きな人の場合は、珍しい野鳥と出会った場所をポイントしておき、1年後に同じ場所を訪れるといった「秘密の場所」的な使い方もできるでしょう。
 自転車での利用法としては、サイクリングルートの要所要所・・・例えば、良く通る交差点や橋、分岐点などをウェイ・ポイントとして登録しておけば、それを目安に走るといったことができます。例えば、自宅を中心とする半径20キロ圏に、このようなウェイ・ポイントを数多く設定しておくだけで、広域にわたるサイクリングが道に迷うことなく自由に可能となります。左の画像はポイントを見やすいマークとともに設定し、広域的な目印としてGPSに表示させているところです(多摩ニュータウン周辺)。


 

 

<ルート>

 ルートは実はウェイ・ポイントの集まりです。自転車でサイクリングしたい道筋をPC上のデジタルマッップで「ルート」として作成し、それをGPSに転送して、ナビゲーションさせるかたちで利用します。下図はPCで作成したルートを表示させているところです・・・グラフはその高低プロファイルです。



 ルートの精度はデジタルマッップの精度に依存しますので、GPSでナビさせてみると実際の道路とは誤差がでますが、許容範囲であり、問題ありません。下図はPCからGPSに転送したルートを実際に表示させているところです。PC上のルート図の左端中央部分が拡大表示されています。よく見るとルート作成時にポイントが道路からはみ出て打たれていたので、GPSで示されたルートは道路からはみ出して表示されているのがわかると思います。


ルートに組み込まれるウェイ・ポイント数はGPSの機種により一定の限界がありますので、長期間にわたるツアーの場合は、何本ものルートを作成して、ルートを乗りつないで行くという使い方となります。
 ルート作成はGPSでもできますが、PC上のデジタルマップで作成するほうが効率的です。
 ルート作成のテクニックは、道路をたどらなければならないサイクリングの場合、分かれ道は必ずポイントととして押さえておくことです。こうすることによって、知らないうちに別の道に入ってしまったということが防止できます。道路が直線やそれに近い場合は、ポイントの数を減らしても問題はありません。
 ルートはポイントとポイントを結ぶものですから、仮に道路が大きく曲がりながら橋を通過していたとして、その橋にポイントしていなければ、ルートは橋を通過せず、川の上を通過するということになります。このようにポイントを省略すれば、道路が通過しているはずのないビルや森林の上を通過するものとして表示されます。ですから、ルートとはそうした特性をもつものとして、サイクリングの際の目安として使用すればいいわけです。

 デジタルマップの精度が低くかったり、作成年次が古い場合は、現地にきてショートカットできる代わりの道路が見つかることもよくあることで、その道が目標につながっていることが現地で確認できれば、そちらの道を選択すればいいのです。なにもルートに従うことはありません。バイパスが新設されたのに、わざわざルート上の旧道を行くこともないでしょう。もちろん、馬込宿のように、バイパスは面白くなく、宿場の風情が残る旧道を行きたい場合は、そうすればいいのです。
 サイクリングをするうえでルートの情報が最も威力を発揮するのは、ルート全体の距離や所要時間、それに最も大切な勾配情報を事前に把握することができるので、それを参考に自分の体力や輪行の場合の電車の乗車時刻などを総合判断して、合理的なペース配分が可能になることでしょう。


<トラック>


 GPSで「トラック」といえば、軌跡・・・自転車でいえば轍のことです。これもポイントが連続したものとして作成されます。電源ONして、GPSが衛星信号を補足した瞬間から、トラックが記録されます。仮に移動しなくても設定した時間毎に、緯度・経度、時刻、高度などを記録します。当然、記録しないという設定や、ポイントを取得する時間と距離間隔も調整できます。短い時間を設定すれば、精度の高いトラックが作成され、時間や距離を長めに設定すれば、粗いトラックとして記録されます。もちろん自転車の速度にもよりますが、通常トラックの取得を「自動」、そのタイミングを「標準」と設定すれば十分です。

 上の図はGPSで記録されたトラックをPCに転送し、表示させたものです。当然ですがルートよりも道路に忠実にポイントを拾っています。精度としては2〜7メートルの誤差ぐらいかなと思います。直線部では間隔が長く、カーブ部分では間隔がこまめに拾っていることもわかると思います。GPSが自転車のスピードや方向切替えを自動判断してポイント取得のタイミングを調整しているようです。

 下表はGPSが取得したトラックのポイントをPC上でその詳細を表示させたものです。上図のポイント1点ごとに下表では、@ポイント番号(「索引」となっている)を含め8項目の情報で構成されています。これからわかることは、Aポイント取得時刻・・・自転車の通過時間、B標高、C前のポイントからの距離、D同じく所要時間、Eポイント間時速、F区間の角度、Gそのポイントの位置・・・緯度・経度です。
 ポイントNO:226は宮ケ瀬湖に架かる橋の東詰(標高294m、北緯35.467、東経139.14.069)です。12時56分に通過しました。前のポイントでは5分ばかり時間が掛かっていますが、自転車を止めて写真を撮っていたためです。

 

 トラックで取得されるポイント数は機種のメモリー容量に依存しますので、海外の長距離ツアーの場合など、GPSで利用できる挿入型の外部メモリーを用意できればいいでしょう。あるいは、旅先でトラックをPCに転送するというテクニックもあります。
 トラックは走行結果をGPSの地図上に自動表示されるので、それを利用してさまざまなことができます。まず、そのトラックに沿って来た道を戻ることができます。来た道をもどるのは面白くないかもしれませんが、安全・確実にもどれるので、いろいろなシーンで使えます。

 まずは誰もが考える、サイクリングした道をたどって自宅に戻るといった使い方です。この方法を使えば、旅先のホテルから、夕食を摂りに街へ出かけ、いい気分になって、いざホテルに戻ろうとした場合、戻らなければならないホテルまでの道に迷ってしまって戻れないといった笑い話は過去のものとなります。
 次に、トラックをそのまま、PCに保存してサイクリングのまとめに利用したり、一旦、PCに転送しておいたトラックを再度GPSに戻し、後日、それをたどって、同じ道を走るといった使い方ができます。これにも応用があり、他人が取得したトラック情報を頂いて、GPSに表示させて走るといった使い方です。現在、多くの人がネット上にこうした「サイクリングの轍」を公開してくれているので、それを利用するわけです。このネット上の情報はいわゆる「玉石混淆」状態ですので、よく吟味して利用すればいいでしょう。なかには外国のサイクリングルートの紹介も多くありますので有用です。


<『カシミール3D』と『轍』について>

 トラックの利用は、これだけではありません。取得したトラックを、PCに転送・記録すれば、様々なことが可能になります。
 このサイトで紹介しているボクのサイクリング報告の多くで、実際に走行記録データをPCで加工した高低図や平面図を使っています。これらはDAN杉本氏の『カシミール3D』というソフトで作成しています。
 さらにトラックをGoogleMap上に描かせることなどが可能になります。GoogleMap描画はズームが効いた詳細図も表示できるので、公開するサイクリストも多くいます。またこのGoogleMap描画作成を支援する特別のアプリケーションソフトまで公開されています。
 『轍』(Wadachi)というアプリケーションソフトは windy  さんが公開してくれているGoogle Map 表示支援ソフトで、トラックデータを自動的に取り込んで作成されるhtmファイル上にGoogle Mapを重ねて表示させるもので、自分のサイトに地図を掲載することができる仕組みの「Google Maps API」(無料)を利用しています。
 『轍』の作者 windy さんもサイクリストなので、走行データを活用して、視覚的に記録したり、それを公開する気持ちがソフト作りに現れています。
 このサイトでも『轍』を使って、一部のルートについてGoogle Map で軌跡を表示できるようにしています。windy さん、ありがとうございます。


<ハードとしてのGPSの取り扱い>

 

 GPSの利用は日本国内はもちろんのことですが、ことのほか海外での利用が有用です。もちろんデジタルマップが作成されている地域は限られるものの、不案内な海外ツアーで、GPSのナビが利用できるのはとても大きな安心感があります。
 取り扱いに関して幾つかのポイントがあります。GPS電源は容易に入手できる単3タイプの乾電池が使えるものがベストでしょう。
 GPSはもちろん自転車に取り付けて使用するのですが、ハンドルに取付装置を介して取り付ける場合は、振動による電源断が発生する場合があるので配慮が必要です。ボクの場合は、フロントバッグにベルクロテープで固定するようにしているので、振動をバッグが吸収してくれるだけでなく、自転車を離れる際に「ベリッ」と剥がして、ポケットに入れられるので、盗難防止にもなっています。


<ネット上で簡単に作るルートmap>

 2009年の暮れから始まったYahhoの新しいサービスで、ネット上からルートを簡単に描くことができます。これはYahhoのルートラボ(LatLongLab)と呼ばれているサービスですが、電子mapを頼りに走りたいルートを描くこと(作成・保存・共有・公開)ができます。

 保存・共有・公開の場合は、YahhoのIDを取得してloginしなけらばなりませんが、YahhoのIDがあれば誰でもYahhoが用意した「ルートを描く」画面でルートを描き、Yahhoのサイトに保存し、仲間内で共有したり「公開」したりできます。

 

ルートラボ(LatLongLab)の初期画面

◎ルートの描き方
 表示された国内図で任意の地点を表示させ、初期モードの「道ピタモード」でスタートしたい地点をクリックすると、そこに「start」マークが表示される。
 次に行き先方面のある地点をクリックすると「goal」とマークされ、道なりにそこまでのルートが描かれる。この作業を続けて最終ゴールまで描いてゆくのだが、コツは、尺取り虫のごとく、こつこつとそのルートを延ばしてゆけばいい。「goal」から点線が伸びるので、その点線を通過したい先に持って行きクリックすれば「goal」が伸びて行く。長い距離を一挙に移動させようとすると、「高速道路」を使ったルートが作成されてしまい、もちろん自転車では利用できないルートとなる。

 また、ルートは一般道路に沿って描かれるので、広い公園内や、川沿いのサイクリング道路に対しては描くことはできない。その場合は「直線モード」でこまめに直線をつないでゆけばいい。

◎ルートの保存・ナビなど
 描いたルートは保存できる。公開もできるが、公開しないで仲間内で利用する方が面白い。このルートを走行し、後日にwebサイトにこのルートを貼り付けることもできる。

 ルート保存後にナビが可能になる。同時に表示される「高低図」も実際の走行計画の時間配分などに活用できる。

公開されているルートの例

 詳しくは、次のサイトへ。

 http://latlonglab.yahoo.co.jp/service/route.html

 実際のルート作成サイトは

http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/


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