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自転車の乗りこなし

身体にフィットした自転車を

 もし自分専用の自転車が用意できるのだったら、体格にあったものを選びましょう。自転車はフレームサイズで大きさを表しています。ペダルの回転軸の中心から立ち上がっているパイプが、サドルパイプ(シートピラー)が差し込まれている上端までの長さがフレームサイズです。これで自転車の大きさが決まります。
 この長さが適正な長さだったら、ペダルに足をかけてもう一方の足のつま先が地面につく状態がベストです。つま先でなく足裏が地面にベッタリつく状態や、自転車を傾けないとつま先が地面につかないのは、身体にあっていません。
 また、サドルも上下・前後に調節できるし、ハンドルの高さも調節できるので、これらを調節して、ぴったりフィットした自転車に乗るのが安全・快適で、疲れない乗り方です。販売店でしっかりチェックするといいでしょう。

服装の基本

 服装はあまりこだわる必要はありませんが、基本点だけは押さえておきましょう。
 @長時間サイクリングでは、予期しない天候の急変にたいする備えとしてレインウエアやウインドブレーカーが必要になることもあります。またパンツはチェーンの巻き込みや裾の汚れに配慮します。また長距離サイクリングではパッドつきパンツは効果的です。
 Aサイクリングでは発汗で身体を冷やします。必ず吸汗速乾機能のある素材のアンダーウエアを着用するようにしましょう。
 B紫外線対策も怠りなく…サングラスだけでなく日焼け対策も必要です。特にリップクリームは有効です。
 C帽子も必要です。その場合、風対策を。場合によってはヘルメットも必需品ですね。帽子かヘルメットかは悩むところです。ヘルメットはオートバイのように着用義務はありませんが万一のことを考えるとヘルメットのほうをお奨めします。
 Dシューズは底が硬めで、つま先と踵を保護できるものであればどんなものでも使えます。靴ひもの巻き込みに注意しましょう。この条件にあてはまっていたら、夏のサンダルも涼しくていいものです。サイクリング用として売られているシューズもハイキング兼用タイプからレース用までさまざまなタイプがあります。さらにシューズとペダルを固定させてペダリング効率をあげるタイプのシューズもあります。この場合はペダルとシューズの固定方法が合っていなければなりません。
 Eケガ防止の手袋は夏でも着用しましょう(夏用は指なし手袋があります)。掌の部分にパッドがついていて、ショックをあるていど吸収してくれます。
 F発汗で失った塩分などを補給するスポーツ飲料や補給食も必需品です。飲料は水でもお茶でも構いませんし、途中でコンビニがなければ、公園の水道水や山の中で清水を補給することもあります。補給食はすぐにエネルギーになるキャンディーなどが適しています。
 以上の基本点をふまえた上で、軽快なスタイルのことも考慮しましょう。ロードレーサーが赤や黄色の派手なウエアを着用していますが、実用的にはクルマから視認されやすいというメリットもあります。

乗り方

 いまさら自転車の乗り方といわれても困るでしょう。でも大切な点を知らなかったりしていませんか。
 基本は左側通行である自転車ですから、両ハンドルを握って自転車の左側に立ち、右足からフレームにまたがります。この時点ではまだサドルに座りません。左足を地面に着けて、右足で右ペダルを水平位置か、やや高い位置に持ってゆきます。ハンドルをしっかり握り、前方、後方の順に注意して右足に力を入れてこぎ、同時に左足をペダルに乗せ、サドルに座ります。
 よく、助走をつけて乗り込むようにする人を見かけますが、これは不安定姿勢となり、また交差点など込み合ったところでは無理です。
 ペダルは足踏まずではなく、親指の付け根…拇指丘でこぎます。そうすると下肢の筋肉の力が効率よく伝わり疲れにくくなります。

降り方

 信号で止まるときは、まずブレーキで減速し、止まったところで左足を地面につけます。この場合、左足のつま先がかろうじて地面に接している状態なので、長い踏切待ちなどでは疲れてしまいます。そこでサドルから尻を前にずらして、トップチューブに尻と右の股を乗せると楽です。信号が変われば、「乗り方」の要領で再スタートできます。
 トイレ、コンビニ立ち寄りなどで自転車から降りたいときは、完全に停止させてから左足を地面につけ、重心を移動させてからサドルから降りるようにします。ついでに、自転車をこまめにロックすることを習慣づけましょう。ちょっと目を離したすきに盗難にあったというのは良く聞く話です。

曲がり方

 2輪車である自転車は急なカーブでは回転弧の内側に身体が自然に傾きます。遠心力がはたらくためです。このとき回転内側のペダルは水平か、上に向けた状態で曲がります。回転時の傾きでペダルが地面に接触し、転倒しないようにするためです。大ケガにむすびつきます。合図のことは「自転車と法律」のところで述べましょう。

段差とデコボコ

 歩道の切り下げ、道路の穴、車道と歩道の段差など自転車で走る場合に、意外と快適さをそこなうのはこうした段差などです。この段差を乗り越えるにはちょっとしたコツがあります。タイヤに空気が十分入っていることが大切で、空気が少ないときには、段差でパンクという悲惨な結果となります。このパンクは「リム打ち」といって、段差とリムでチューブをはさんでしまい、パンク穴が二つならんで起きます。
 パンクを避けるためには、スピードを控え目にして乗り越えること、さらに体重を浮かせるように、両腕でハンドルを前に押し出し、自転車だけが段差を越えるような感じで行うとショックも少なくてすみます。間違っても、サドルにベッタリ座り、スピードをあげて乗り越えることはやめしましょう。お尻も痛く、必ずパンクします。
 段差の降り方も同じで、体重を後輪にかけるようにして両腕で前輪を押し出すようにして、浮かせ、前輪と後輪が同時に着地するようにするとショックもすくなく、姿勢も安定して降りられます。

濡れた路面はスリップの危険

 一般道路の場合だけでなく、歩道の場合も気をつけなければならないのは、濡れた路面や特に路面に書かれたペイント類、タイル舗装の歩道などを走行する場合です。これらのうえは簡単にスリップするので、コーナリングやブレーキ操作には十分注意しましょう。路肩の白線も雨の場合、白線の上の泥で簡単に滑ってしまうことがあります。
 どうしてもブレーキが必要なときは、前輪ブレーキから使いましょう。後輪がロックすれば必ずコントロールを失うことを肝に銘じましょう。これは砂利道やアスファルト舗装の上に細かい砂がかぶっている場合も同じです。必ずスリップしますので、砂利がかぶっていないところで減速するなど、転倒しないよう十分注意しましょう。

ライトは必需品

 夜間走行の場合のライトの点灯も法律で義務づけられています(道交法第52条第1項)。町中では街灯などで明るいからライトは要らないのでは、と思う人もいますが、そうではなく、クルマ、自転車、歩行者に対し、自転車がここに居るぞというサインなのだというのが今日の理由です。つまり周辺に対する安全対策なのです。
 でも、街をはずれるとやはり夜道は暗いもの。とくに知らない地域での秋の「つるべ落とし」は、たいへん困ります。
 そこでライトに関するお役立ち情報です。
 ママチャリについているダイナモはタイヤから回転力をもらっているので「重くて」、音もうるさいというのは昔の話で、最近はダイナモ自体が改良され「軽く」、また明るいです。さらにタイヤとは非接触式のダイナモも開発され、「重い」ということもなくなりました。いっぽう、乾電池式についても、LEDと呼ばれる発光ダイオードの新顔が登場しています。これも初期のものは「昼間の行灯」のようで、薄ぼんやりしていましたが、最近は「スーパーLED」も出回り、明るくて、小さくて、おまけに電池の持ちがよいと、自転車には良いことずくめのライトです。

安全な走りのための補足

 気配りが必要なのは、なにも路面ばかりではありません。一般道路の場合はクルマに十分な注意も必要です。特に背後からのクルマの接近には十分なご注意を…。クルマの接近を確認するバックミラーは有効です。さらにクルマの接近を背中で感じるようになれば、一般道の走行も怖くなくなるでしょう。
 自転車同士の事故にも十分な注意が必要です。あるとき、野球練習帰りの中学生がサイクリング道路をふさぐかたちで歩いていました。ボクはその横1列の集団を抜くことに気を取られ、前方からせまってくる自転車に気づくのが遅れたために、あやうく衝突しかけたことがあります。対向してくる自転車は相対速度がめっぽう早く、対応が遅れてしまうことをその時に学びました。

坂道

 山国でもある日本はやたらと坂道が多いですね。この坂道を自転車で走ることをあきらめていませんか。サイクリングに行けば必ず坂道があります。坂道を登るときはギア比を変えて、ゆっくりと登るのが正解です。立ち漕ぎ状態で一気に登る中学生もいますが、疲れて長続きしません。そのためにスポーツタイプの自転車には前2〜3段、後6〜10段程度のギア組み合わせができるギアセットが組み込まれています。登り坂の場合、とくに大切なことは前3段のうちインナーの最も小さいギアの歯数のなるべく少ないものを選ぶことです。そうすれば、傾斜角度10度を越える急坂でも、ゆっくりと歩く程度の早さで登ることができます。傾斜角度10度といえば、富士山の5合目までのスバルラインも6〜7度程度の斜度ですから、相当な激道も上ることができます。
 汗をかいて登った坂道や峠での達成感を味わってください。次は下りです。原則は控えめなスピードです。自転車のブレーキは手の握力に頼るしかありませんから、事前のブレーキチェックは念入りに…。また冬季は手がかじかんで握力が衰えることも覚えておいてください。そうなれば、恐怖の下り坂となってしまいます。
 下りはかならずスピードコントロールが可能な範囲で下ります。路面に特に注意しながら、砂利などの障害物に警戒し、先の見えない曲がり角では必ず減速しましょう。山道では谷の水が道路を流れていたり、苔が生えていたりなどスリップする要素がたくさんあります。


シーズンごとの注意点

 日本において、もっともサイクリングに適した季節は春です。秋もいいですね。晴れ渡った秋空のもと、紅葉を愛でるサイクリングも最高です。でも「秋の日はつるべ落とし」などといいますから、遠出サイクリングは難しいときがあります。それに比べ、春は日照時間が長くサイクリングには最も適しているといえます。もっとも花粉症の季節でもありますから、花粉症に悩む人はそれなりの対策をお願いします。初夏もサイクリングに良い季節です。梅雨は屋根のない自転車はつらいですね。でもなかには変わった人がいて、この季節の雨に濡れながらのサイクリングが大好きという人もいます。その爽快感も理解できますが、一般的にはやはりお奨めできません。
 真夏はどうでしょう。真夏に自転車を走らせるのは熱中症などを誘発しますからあまり薦められません。しかし、高湿度、高輻射熱でのグランドや道路を使用する他のスポーツ…サッカー、野球、ランニングなどと比較すると、自転車の場合、スピードをだせるので、風が起きて汗が早く乾くことから他のスポーツとの比較では熱中症になりにくいかもしれません。大汗をかいてランニングをしている人を追い越すとき、自転車は涼しいのだと実感します。それでもカンカン照りのサイクリングがいやな人は、早朝や夕方の涼しい時間帯に楽しむのがいいでしょう。
 秋をとばして、冬です。冬も自転車を走らせている人は結構います。その場合、寒いからといってあまり着込むことはお奨めできません。走り始め、すこし寒く感じてもしばらくして身体が温まってきます。そしてやがて汗をかき始めます。そのとき身体を冷やさないように体温調節をこまめにやりましょう。下着はもちろん新素材のものを身につけ、冷えた汗が皮膚に密着しないようにします。これは夏の峠や、秋の山蔭でも同じです。また、冬は首周りの保温、防寒手袋も必需品です。なかには靴の上からカバーをかけて防寒対策をしている人もいます。

 

雨対策

 好んで雨の日にサイクリングに出かける人はまずいないでしょう。しかし、サイクリングの途中で雨に降られることは、かなりの確率で発生します。また、3日以上のサイクリング旅行では雨にたたられることがあります。
 そうしたわけで、雨に降られたときの対策を考えましょう。
 よくママチャリに乗っている人が傘をさして片手運転をしているのを見かけることがありますが、厳密には法律違反だし、第一危険です。
 すこしの雨ならば、雨宿りという手もあるでしょう。しかし、そうでない場合は雨でも走らなくてはならないときがあります。サイクリングで宿を予約しているときや、帰りの指定席券を購入している場合などです。
 ではどうするか、基本的には野外活動で雨にたたられた場合と同じで、レインウエアーを着ます。よく登山で使われる上下に分かれたタイプが一般的ですが、コウモリのように頭からかぶるマント型のものもあります。頭と足も濡れるので、それぞれその用途むけの装備も売られていますが、濡れても構わないのであれば、それでもいいでしょう。
 旅行用品を自転車に積んでいる場合は、それを濡らさない対策も必要で、ボクの場合はそれをすっぽりと覆うカバーを考案して使っています。ハンドル、ブレーキも隠れるために手を冷やすこともありません。
 また走行条件によってはレインウエアも必ずしも万全ではありません。とくに登坂中はレインウエアから水分が抜けるよりも多くの発汗がありますので、中も外も濡れてしまいます。それではレインウエアを脱げばいいじゃないかということになりますが、脱げば身体を冷やしてしまいます。こうしたことが雨では起きることを承知しておいてください。
 ついでに雪です。初冬の北海道にでかけたことがありましたが、雪が路面に積もっていないかぎり、なんの問題もありませんでした。降り始めた雪が数センチ積もっても、ゆっくりと進めばスリップすることはありません。但し、夜間、凍結した雪は自転車にとって大敵です。かならずスリップすることを念頭に、時速10km以下のゆっくりとしたスピードで走ってください。ブレーキは前輪のみゆっくりとかけることができます。

風対策

 風はサイクリストにとって大敵です。向かい風に抗して走るのは、とても辛いものです。ベテランの旅行サイクリストでも強風の日は休むといいます。ですから天気予報などで風の情報を把握しておくことはサイクリングにとってとても大切なことです。逆に追い風の場合は、これほど楽ちんなことはありません。ゆるい上り坂でも追い風ならペタリングしないでも走れることもあるほどです。しかし風は気まぐれですから、いつ方向転換してくるかわかりません。横風には細心の注意が必要です。
 川の土手上のようなところを走っていて不意に横風を喰らったら、土手下に転落という事態も予測されます。また横風に抗して走っているときは風上に対し重心を斜めにして走っているので、風が止んだときは不安定になり、今度は風上にハンドルを取られることもあります。そのようなときはなるべく風の影響を受けないルートに変更する方がいいでしょう。どうしても走らなければならないときはなるべく姿勢を低くして、走るしかありません。


疲労対策

 自転車を始めると、とても疲れます。なぜでしょうか。それは馴れないことを始めたからです。

 まず、お尻が痛い。
 この原因はママチャリのところでお話しましたが、スポーツ系の自転車でも長時間・長距離を走れば同じように痛くなります。対策は専用のパットを縫い込んだパンツをはくことです。お尻とサドルの間に緩衝クッションを入れる考え方です。またサドル自体を柔らかな材質のものを選ぶこともできます。 対策の第二は、乗り方を工夫してみることです。お尻をほんのわずかに前や後ろにずらしてみましょう。さらに微妙な段差や舗装のへこみ・盛り上がりを越えるときはサドルからお尻を浮かし、突き上げてくる衝撃をかわします。

 手首や肩が痛い。
 これもハンドルにさまざまな衝撃が伝わるためで、対策は肘をすこし曲げて、衝撃を吸収します。ハンドルをバー状(MTBはほとんどこれ)から、ハンドルをにぎる位置を幾通りにも変えられるドロップハンドル(ロードレーサーはほとんどこれ)に変えましょう。とくにスポーツ系自転車は前屈みの姿勢で走るので、重い頭と上半身を両手・両腕で支えることになります。

 首が痛い。
 前傾姿勢で乗るスポーツ系自転車は、どうしても首をそらす状態で長時間走ることになり、首が痛く、肩も凝りがちです。対策はこまめに休み(50分走り10分休む)、首回りをほぐす体操でもしましょう。

 自転車を始めたばかりは、こうしたトラブルが重なって「こんなはずではなかったのに…」となります。そんな時は無理をしないで、走行時間を短くしたりしましょう。半年か1年間ぐらいの間にだんだんとなじんでくるものです。

 もうひとつおまけ

 「よたよた」という感じでサイクリング道路を走っていると、レーサーに乗ったお兄さんにスーっと抜かれてしまうことがよくあります。これはいけないと思い、追尾しようとしてもすぐに疲れてしまい、「オレは駄目だ」と意気消沈してしまいがちです。
 頑張ろうという気持ちは大切なのですが、自転車を始めたばかりだということを忘れないでください。まだ十分な筋肉が発達していないからです。自転車を長時間・長距離走らせるためにはそれなりの訓練が必要です。なにも橋本聖子ばりの太い足が必要だというのではありません。時間をかけて継続して走ることで、自然と筋肉がついて来ます。その状態を「足ができる」と呼んでいますが、そこまで行くのは普通のサラリーマン暮らしをしていた中高年の場合、早くて3年はかかるものです。焦らないでマイペースでトレーニングしましょう。
 もちろん、「足ができる」ためにはトレーニング回数や、走行時間・距離を伸ばせばいいのですが、それを過度にやれば、今度は走りすぎによる様々な障害が出てきます。
 膝の故障、腰痛などです。自分が中高年であるということを自覚して、マイペースで走りましょう。そのほうが、思わぬ障害で長期間にわたり整形外科に通うよりはいいでしょう。



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